漫画が好き過ぎて 🐞その189
古書店や催事の付録漫画コーナーによく混ざって売っていた安い赤本漫画……
昭和20年代の一時、出せば漫画なら何でも売れていた時代。古書評価が低く安いモノは、赤本漫画ブームが最盛期の量産物でしょう。
漫画であるなら何でも売れた、子供達が娯楽に餓えていた時代故、一時の赤本には物量があり残存率は高く、後に漫画古書を扱う古本屋の棚を長く温めていたものでした。
粗雑な赤本漫画は、書き下ろし作品ばかりでなく、他の漫画本から無断転載したものなんかもありました。。
🌟🌟終戦直後のドサクサで、食べて生きるのが精一杯の時代であれば、漫画の無断転載位のモラルなんか無いに等しいでしょう。。
例えばこの赤本漫画……
私のウサちゃん 作者は 南和朗。
☝️この兎のキャラクターは、戦前から活躍されていたベテラン漫画家 南義郎先生のモノと思われ、元にある何かしらの単行本か、雑誌からの描き版によるコピー本と思われます。
👇この奥付にある出版社のザックリとした住所も怪しさ全開でアリマス‼️
👇こちらは本家、南義郎先生の、昭和31年 雑誌 りぼん の付録漫画、りぼんのうさちゃん
以前より書かれていたキャラクター うさちゃん のリメイク作品。
赤本 私のウサちゃん では作者は、南義郎 ならぬ、南和朗と改名表記されているのは、やはりこの出版社は後ろめたさを感じていたからでしょうか……❔
手塚治虫先生が生前何かと、恨み節の様に語っていた戦後の赤本漫画に多用された、描き版技術…
本来漫画原稿から写真撮影して製版する技術を、コストダウン狙いで原画を手書きでトレスして製版の元とするやり方。
完成した画のタッチは、このトレス職人に委ねるわけであるから、漫画の神様 手塚治虫先生が、若さと情熱で描き上げた漫画の出来が描き版による技術の拙さで、不本意な仕上がりとあれば、完成した本を見た時の落胆ぶりは想像出来ます……😖😖
……つづく