新春ゲストblog SP🎉🎉 神戸 ふらり堂さんの登場でアリマス。
古本屋が選ぶ、古本屋関連本ベスト20
本が好きです。そして古本が好きです。
だから古本関連の書籍を見ると、ついつい買ってしまい、そばに置いておきたくなります。
一番古くは十代の頃読んだ梶山季之「せどり男爵数奇譚」。あとキララ文庫で働いている頃は「古本屋 月の輪書林」「古本屋の女房」など読んでました。古本関連の本って、明日知れぬの自営業の身にとっては心の拠り所になっているのかもしれません。
今回は私が古本屋をはじめてから読んだ本を挙げさせていただきました。もう独立して18年くらいになるので、結構な時間が経ってます。
当然ここに入っていない本でも面白い本もあるんです。挙げられなくてスイマセン。
また一古本屋の個人的見解なので、どうか参考程度にさっと読み流してくださいませ。
まずは20位から。10位以降は自分の中で順番は、それほど意味はございません。順位が低くても面白くないという事ではないので、ご了承くだいませ。……順不同です。
20位
北尾トロ ぶらぶらヂンヂン古書の旅 文春文庫
古本好きとしては全国各地の古本屋を回りたい。しかもぶらっと気楽な感じで。北尾さんはその夢を実現させたひとりです。
結構好みがかぶるのか、サブカル寄りのお店が出て来るので、ワクワクさせられます。
例えば九州中国地方では「バンドワゴン」「痛快洞」「珍竹林」「万歩書店」、神戸なら「ちんき堂」「トンカ書店」と言った具合…
サブカルならここに回って欲しいという店にちゃんと行かれているのが嬉しい。良い本がたくさんある店では「古本好きの遊園地」という表現がいい。私も旅に出ると、古本屋巡りしてますが、そんな遊園地に是非寄ってみたいです。
19位本の雑誌編集部編 古本の雑誌 本の雑誌社
この本が出版されて、はじめて手に取った時はとても感動しました。なにせ最初から最後まで古本づくしなんです。内容のほとんどが、雑誌「本の雑誌」に掲載されていた古本関連の記事をまとめたものなんですが、それだけが集まった時の熱量たるやスサマジイ。
古本という世界を俯瞰してみるにはもってこいの一冊ではないでしょうか。どこから読んでも楽しい記事ばかりで、全部読み終わってしまうのがもったない。出版されてから10年近く経つことだし、第二弾とかあると嬉しいなァ。
18位
森岡監行 荒野の古本屋 晶文社/小学舘
晶文社の『就職しないでいきるには』シリーズは面白いので何冊か読んでますが、この作者の本は衝撃的でした。
従来ぎっしり本棚に本を並べるのが古本屋として普通だと思っていたので、「こんなやり方あるんだ!」って。著者の店の写真集を面置した状態で、ゆったりめに配置してる写真に驚かされました。中の文章もいいですね。著者が古いものに傾倒し、古本屋を始める様子が丁寧に描かれております。
17位
沖田信悦 植民地時代の古本屋たち 寿郎社
東京の古書会館に足蹴く通っていた2004年~2008年頃、よく声をかけていただいてたのが、千葉古書組合の鷹山堂さん(沖田さん)でした。私は会館8階の休憩室が好きで、ここでコーヒー飲んだり調べものしたりしていたのですが、この一角に古本関連の書籍が置いあるんです。鷹山堂さんの本も並んでたので、驚いてすぐに自分でも購入しました。それがこの本。戦前の植民地(樺太・台湾・満州・朝鮮)の古本屋さんが書かれてて、なんとも資料性の高いものです。読んでよく調べられたなァと二度驚きでありました。
16位
橋本憲範 奇想ヤフオク学 平安工房
ヤフーオークションが始まったのが1999年の秋。そして著者の橋本さんがヤフオクを知り、試しに出品しはじめたのが2000年の夏。この本はネットオークションの黎明期において、どんな風に商売して成功したのか。その貴重な記録です。その内容は具体的な商品名や売上の数字などが書かれており、大変参考になります。前半ヤフオクバブルもあって勢いがありますが、後半になると相場が落ちていく中、すひたすら売ることが書かれているので、読む方にも緊張感が走ります。商売するのって大変だぁ。
15位
片岡喜彦 古本屋の四季 皓星社
「自分が60過ぎたらどんな古本屋をやっているんだろう?」そう思い、手に取った本。著者は定年を迎え、60を過ぎてから古本屋を始めたのだという。「道楽で古本屋をはじめた」「10年もできれば」とあるが、なんのなんの。
結構しっかりされた方で、お店の方も10年以上となり、すっかり神戸の古本屋として地域に溶け込んでいるようです。2009年から2020年までの11年分エッセイ。結構な量のように思えますが1本が4ページ前後と読みやすく、隙間時間にほっと一息つく感じで読ませて頂きました。
14位
南陀楼綾繁 ほんほん本の旅あるき 産業編集センター
著者が北は岩手南は鹿児島まで足を運び、本に関するイベントや本屋・古本屋を紹介したもの。ちゃんと取材されていて、その地域の情報がしっかり書かれている。
注目は全国各地の古本屋さん。特に九州の古本屋さんたちは知っている人ばかりだったので、「あっ出てる出てる!」と嬉しくなりました。ちなみに南陀楼さんとは二回ほどお会いしたことがあります。著作の内容同様博識な方だと思いました。
13位
橋本倫史 東京の古本屋 本の雑誌社
最近買った本。著者の一日密着によって、浮き彫りにされた東京の古本屋さんたちの生活。今までにない、新しいタイプの古本屋関連本だと思いました。
なかなかリアリティがあって読んでいると、まるで自分がその店で働いてるんじゃないかという気分になりました。
コロナ下、どんな風にして商いをされていたかが伝わってきます。本当に大変だったんだ。個人的には岡島書店さんの昔の古本屋情景に惹かれました。ここだけで一冊を作っても面白そう。
12位
大久保京 猫本屋はじめました 洋泉社
元々独立したのが九州の熊本だったこともあり、数年前まではことある毎に、福岡古書組合の市場に顔を出しておりました。2013年頃、吾輩堂さんとは市場でお会いしたことを覚えております。猫関連を扱う専門のお店だそうです。その店名と扱うジャンルにインパクトあります。その後本が出た際にすぐ購入させていただきました。横尾忠則さんと対談だなんて羨ましすぎます!
11位
鈴木創 なごや古本屋案内 風媒社
数年前まで毎週のように名古屋に通ってました。目的はもちろん、名古屋古書会館にて開催される市場です。
前日より宿泊することが多く、この本は宿泊先近くの本屋さんで購入。名古屋の市場でお会いする古本屋さんらが数多く登場。こんな商売してたのね~と改めて知ったのでした。
他の地域ではこういった単行本はないので、こんな本を作ってもらえて名古屋の古本屋さんたち羨ましい!と思った記憶があります。
10位
須賀章雅 貧乏暇あり 論創社
札幌の古書店「須賀屋」の店主のブログを書籍化したものです。2005~2011年の七年間分よりチョイスして掲載。
古本屋さんの日常が坦々と綴られております。2004~2006年頃、三回ほど札幌の大市に参加させていただき、その際に須賀さんに挨拶させていただきました。ナントこの本にも、私のことが出て来ます🎵正直嬉しい……
……つづく
🙌🙌……ふらり堂さん、力作有り難うございます‼️